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内容紹介
ポアソン分布を,その起源から徹底的に学習し,理解することを目指した本書。要となる,「ランダムな点配置の点の個数や,ランダムに起こるイベントの回数を数えると,自然にポアソン分布が現れる」,このことをパソコンの計算ソフトでシミュレーションし,実際にポアソン分布が現れる場面を実体験することにより,数式だけでは理解できない数学を学習する。確率・統計を活用する読者には必携の書である。
書誌情報
- 著者: 島谷 健一郎
- 発行日: 2017-10-23 (紙書籍版発行日: 2017-10-23)
- 最終更新日: 2017-10-23
- バージョン: 1.0.0
- ページ数: 136ページ(PDF版換算)
- 対応フォーマット: PDF, EPUB
- 出版社: 近代科学社
対象読者
ポアソン分布,ポアソン過程,乱数,統計モデル,最尤法,ポアソン回帰,空間点過程,シミュレーション,AIC,確率分布に興味がある人
著者について
島谷 健一郎

統計数理研究所准教授
1980年 神奈川県立希望が丘高等学校卒業
1984年 京都大学理学部卒業
1992年 京都大学大学院理学研究科数理解析専攻満期退学 代々木ゼミナール,大阪外国語大学留学生センターなどの非常勤講師を経て,1995年からミシガン州立大学森林科学科へ大学院留学
2000年 統計数理研究所助手
2009年より現職
目次
0 序章
- 0.1 意外と難しいランダムな点配置の作成
- 0.2 ランダムな点配置の作成マニュアル
- 0.3 面積100に100個なら密度は1.0か
- 0.4 馴染みにくいポアソン分布の式
- 0.5 カウントデータとポアソン分布
- 0.6 本書の構成と目標
1 ポアソン分布の2つの起源
- 1.1 ランダムな点配置の一部はどうなっているか
- 1.2 大きな点配置のごく一部はどうなっているか
- 1.3 2項分布から導かれるポアソン分布
- 1.4 ランダムに起こるイベントから出てくるポアソン分布
- 1.5 ランダムなイベントから導かれるポアソン分布
- 1.6 ランダムなイベントの定義:定常ポアソン過程
- 1.7 ポアソン分布に従う乱数の作成
2 ポアソン分布モデルと最尤法
- 2.1 本数/面積は密度か
- 2.2 統計モデルの根底にあるもの:確率分布
- 2.3 未知パラメータの推定:尤度と最尤法
- 2.4 ポアソン分布モデルの尤度
- 2.5 モデルでデータを説明できるか1
- 2.6 統計モデルと確率分布
- 2.7 ポアソン分布の期待値と分散
- 2.8 不偏推定量:分散の推定はn?1で割る理由
- 2.9 モデルでデータを説明できるか2
- 2.10 最尤推定値は最も尤もらしいだけではない1
- 2.11 最尤推定値は最も尤もらしいだけではない2
- 2.12 モデルでデータを説明できるか3
3 ポアソン回帰モデルと赤池情報量規準(AIC)
- 3.1 時間当たりのイベント数データ
- 3.2 花の数というカウントデータ
- 3.3 ポアソン回帰モデル
- 3.4 モデルの相対評価??赤池情報量規準AIC??
- 3.5 カテゴリカルデータに対するポアソン回帰モデル
- 3.6 ポアソン回帰モデルでデータを説明できるか
- 3.7 ポアソン分布で説明できない現象
- 3.8 「正解」のないデータ解析
4 AICの根拠をシミュレーションで納得する
- 4.1 統計モデルと真のモデル
- 4.2 カルバック・ライブラー情報量
- 4.3 平均対数尤度
- 4.4 ポアソン分布モデルの平均対数尤度と最大対数尤度
- 4.5 パラメータが2つ以上あるモデルの平均対数尤度と最大対数尤度の差
- 4.6 シミュレーションで見えてきたAICの根拠
5 空間点過程モデルの第1歩:非定常ポアソン過程
- 5.1 場所によって密度が異なっている点配置
- 5.2 密度が変化しているとき全体で何個の点があるか
- 5.3 非定常ポアソン過程
- 5.4 点過程モデルが難しい理由
- 5.5 非定常ポアソン過程の尤度関数
- 5.6 木の配置と環境要因
- 5.7 統計モデルで見えてくる種特性
- 5.8 正解はなくてもモデルを創る